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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻13号

2012年12月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈病理〉

内膜細胞診での構造異型の捉え方―(液状処理細胞診-生食洗浄法による)

著者: 熊谷幸江1 方山揚誠2 奥沢悦子1 須藤安史1 板橋智映子1 矢嶋信久1

所属機関: 1八戸市立市民病院臨床検査科 2PCL盛岡病理細胞診センター

ページ範囲:P.1467 - P.1472

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はじめに

 子宮体癌で最も頻度の高い高分化類内膜腺癌では,癌細胞の核の大きさは正常の内膜上皮の核とほとんど変わらず,また核形不整も乏しい(図1).したがって核所見のみで内膜細胞診の判定はできず,細胞集塊の構造異常,すなわち構造異型に注目する必要がある.

 筆者らは,細胞集塊が断片化されず,構造異型が捉えやすい方法として石井らの提唱する生食洗浄法を用いて内膜細胞診検体を液状処理し,子宮体癌検出に良好な成績を出した.

参考文献

1) Ishii Y, Fujii M : Criteria for differential diagnosis of complex hyperplasia or beyond in endometrial cytology. Acta Cytol 41:1095-1102,1997
2) 石井保吉,藤井雅彦,佐久間市朗,他:体内膜細胞診における腺腫性増殖症および高分化体内膜腺癌の判定基準について.日臨細胞誌 30:651-656,1991
3) 熊谷幸江,奥沢悦子,十文字文男,他:子宮内膜細胞診におけるエンドサイト生食洗い出し法の有用性について.日臨細胞青森県支部会報 13:15-20,1996
4) 方山揚誠,熊谷幸江,奥沢悦子:正しい細胞診診断を行ううえでの細胞診標本の採取法.病理と臨床(臨増) 20:40-49,2002
5) 熊谷幸江,須藤安史,奥沢悦子,他:生理食塩水洗浄LBC法による内膜細胞診の経験―構造異型を重視して.日臨細胞誌(補刷) 1:133,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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