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文献概要
病気のはなし
慢性膵炎
著者: 下瀬川徹1
所属機関: 1東北大学大学院医学系研究科消化器病態学
ページ範囲:P.86 - P.90
文献購入ページに移動慢性膵炎とはなんらかの素因を背景に,飲酒・喫煙などの生活習慣病的要因が加わって発症する膵臓の慢性炎症である.臨床経過を“代償期”,“移行期”,“非代償期”に分類することが多い.代償期には急性膵炎様の腹痛発作を繰り返すが,次第に膵実質が失われていき,進行した非代償期には膵内外分泌不全徴候が現れる.診断は「慢性膵炎臨床診断基準2009」1)に基づいて行う.この診断基準では,早期慢性膵炎が定義された.治療は,禁酒・禁煙を生活指導の基本とし,腹痛に対しては蛋白分解酵素阻害薬を中心とした薬物療法や,体外衝撃波結石破砕療法(extracorporeal shock wave lithotripsy,ESWL)を併用した内視鏡的膵石除去が行われる.消化吸収障害に対しては消化酵素の補充療法,糖尿病にはインスリン治療が行われる.
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