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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻2号

2012年02月発行

文献概要

技術講座 生理

重心動揺検査―検査法と評価法

著者: 山本昌彦1 吉田友英1

所属機関: 1東邦大学医療センター佐倉病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.92 - P.99

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新しい知見

姿勢制御がどのように成り立っているのかを足圧中心の移動を記録し,解明するのが重心動揺検査である.重心動揺の多くの解析指標によって,動揺の性状が明らかにされてきた.現在,臨床的評価においては,重心動揺指標を使って書かれている論文ものが非常に多い.そのなかでも,時田喬岐阜大学名誉教授は,重心動揺検査からの病巣局在判別を試みており,1999年にはニューラルネットを使った判別を行い,2008年にはマハラノビス・田口法を使った判別を試みている.重心動揺検査の利用法はさまざまで,生理機能的・リハビリテーション的・臨床的それぞれの目的に応じた指標の利用は必要であるが,疾患・病巣局在の鑑別が将来に対する大きな課題である.

参考文献

1) von Romberg MH : Tabes dorsalis. Lehrbuch der Nervenkrankheiten des Menschen, volume I. Duncker, Berlin,p795,1846(English translation by the Sydenham Society, London,1853)
2) 島薗順次郎:種々の疾病に於ける身体動揺に就いて.東京医学会雑誌 22:1023-1048,1908
3) Basler A : Zur Physiologie des Hockeno. Z Biol 88:523-530,1929
4) Travis RC : A new stabilometer for measuring dynamic equilibrium in the standing position. J Exp Psychol 34:418-424,1944
5) Baron JB : Presentation dun appareil pour mettre en evidence les deplacements du center de gravite du corps dans le polygone de sustentation. Societe de medecine et d`hygiene du travail 25:41-49,1964
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11) 山本昌彦,小松崎篤:身体重心動揺における方向別速度成分の解析―眼振との関係.耳鼻咽喉科臨床 77:2206-2216,1984
12) 山本昌彦:身体重心動揺の速度解析―末梢前庭障害における左右方向別動揺速度について.日耳鼻会報 89:754-762,1986

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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