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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻2号

2012年02月発行

文献概要

技術講座 輸血

血液(自己血)の凍結保存法

著者: 川端みちる1 曽根伸治1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.100 - P.104

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新しい知見

輸血用赤血球製剤は,4℃の冷蔵においては抗凝固剤や保存液の組み合わせで21~42日間の保存が可能である.稀な血液型の血液や手術に備えた自己血貯血ではさらに長期間の保存が必要な場合があり,赤血球を凍結することで半永久的に保存が可能となる.しかし,凍結保存は凍害防止剤としてグリセリン液を添加するので,解凍時に脱グリセリンの工程が必要になる.これらの工程は,クリーンルームやクリーンベンチ内で無菌操作によりバッグの接続や洗浄を行い,解凍した血液は速やかに使用する.近年,凍害防止剤添加や,凍害防止剤除去をクローズドシステムで実施可能なセルウォッシャーが開発され,日本赤十字社での稀な血液型の血液のみならず,自己血の冷凍・解凍に利用されている.欧米ではクローズドシステムでの洗浄および赤血球保存剤の添加により解凍赤血球の有効期間を最大14日間まで延長することが可能となっている.

参考文献

1) 遠山博,柴田洋一,前田平生,他:輸血学,改訂第3版.中外医学社,2004
2) 福岡自己血輸血研究会(編):自己血輸血ハンドブック.九州大学出版会,1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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