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文献概要
【症例の概要】
20歳代,女性.会社の検診で甲状腺腫を指摘され,当院に紹介された.甲状腺機能検査では,FT40.79ng/dl(0.7~1.6ng/dl),TSH0.312μIU/ml(0.3~5.0μIU/ml),サイログロブリン11.7ng/ml(0~35ng/ml),TgAb≦0.3U/ml(0~39.9U/ml)であった.超音波検査では,甲状腺左葉に多発性結節が認められた.上極の結節は29×19×20mm大,充実性,形状は不整で,微細高エコー像は観察されなかった.ドプラ像では,結節内部および周辺の血流シグナルは乏しかったが濾胞癌が疑われた.下極の結節は14×12×14mm大で,腺腫様甲状腺腫が考えられた.左葉上極結節が穿刺吸引細胞診にて篩・モルラ型乳頭癌と診断され,甲状腺全摘術とリンパ節郭清が行われたが,リンパ節転移は認められなかった.また,遺伝子検査にてAPC遺伝子異常が認められ,大腸にはポリープが多発していた.
20歳代,女性.会社の検診で甲状腺腫を指摘され,当院に紹介された.甲状腺機能検査では,FT40.79ng/dl(0.7~1.6ng/dl),TSH0.312μIU/ml(0.3~5.0μIU/ml),サイログロブリン11.7ng/ml(0~35ng/ml),TgAb≦0.3U/ml(0~39.9U/ml)であった.超音波検査では,甲状腺左葉に多発性結節が認められた.上極の結節は29×19×20mm大,充実性,形状は不整で,微細高エコー像は観察されなかった.ドプラ像では,結節内部および周辺の血流シグナルは乏しかったが濾胞癌が疑われた.下極の結節は14×12×14mm大で,腺腫様甲状腺腫が考えられた.左葉上極結節が穿刺吸引細胞診にて篩・モルラ型乳頭癌と診断され,甲状腺全摘術とリンパ節郭清が行われたが,リンパ節転移は認められなかった.また,遺伝子検査にてAPC遺伝子異常が認められ,大腸にはポリープが多発していた.
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