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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻2号

2012年02月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

抗CEA自己抗体によるCEAの低値現象

著者: 阿部正樹1 俵木美幸1 海渡健1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.162 - P.163

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はじめに

 癌胎児性抗原(carcinoembryonic antigen,CEA)は1965年に成人の消化器癌と胎児の消化器に特異的な抗原として見いだされ,現在では臨床的に広範囲かつ頻繁に利用されている腫瘍マーカーである.本稿においては,抗CEA自己抗体の産生により段階的にCEAが低下を示した症例を提示するとともに,CEAが低値を呈する多数の検体を対象に行った検討結果を紹介する.

参考文献

1) 俵木美幸,阿部正樹,荒木早紀子,他:CEA低値検体における抗CEA自己抗体の重要性に関する検討.JJCLA 37:181-185,2012
2) 阿部正樹,俵木美幸,佐藤亮,他:数種のイムノアッセイ法においてPSA偽低値を呈した前立腺癌患者血清の検討.JJCLA 33:805-811,2008
3) 中嶋克行:癌患者血清中に認められたCEA自己抗体保有例とそのモノクローナル抗体作成の試み.核医学技術 2:13-14,1982
4) Konstadoulakis MM, Syrigos KN, Albanopoulos C, et al : The presence of anti-carcinoembryonic antigen (CEA) antibodies in the sera of patients with gastrointestinal malignancies. J ClinImmunol 14:310-313,1994
5) 阿部正樹:腫瘍マーカー測定における非特異反応について.JJCLA 36:208-213,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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