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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻3号

2012年03月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生化学〉

異常値の原因と発見の糸口(前編)―分析前段階でのチェックおよび精度管理での発見

著者: 中野幸弘1

所属機関: 1宝塚市立病院中央検査室

ページ範囲:P.214 - P.218

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はじめに

 ある人から得られた検体を測定した結果の値は,通常基準範囲と呼ばれる範囲内に入るが,その人に何らかの医学上のトラブルがあるとき,基準範囲を外れる.そのときのデータは患者の現在の病態を反映した臨床的な異常データである.

 しかし,特に臨床的な問題がないにもかかわらず,分析装置から臨床的に異常なデータが打ち出されるときこれを一般的にトラブルと呼ぶ.

 このようなデータは,臨床的な異常データと区別し,検体により発生する①検体に起因する異常データ,②使用した測定系で使われる試薬・標準品に起因する異常データ,分析装置のトラブルによって生じる③機器に起因する異常データが存在する.

 異常値を素早く発見するための第一歩は,自動分析装置にパラメータを間違わずに入力し,安定性のよい試薬を選択し正しい標準物質を用いきちんとした精度管理を行うことが必要である.

参考文献

1) 佐々木匡秀,上田尚紀,北村元仕,他:人体成分のサンプリング.血液 26-26,講談社,1972
2) 青木善政,亀子光明:フィブリン除去に竹串や爪楊枝を用いない.検査と技術 35:668-671,2007
3) 標準採血法ガイドライン GP4-A1
4) 中野幸弘,北田徳昭:特殊な検体による異常データの出現 1)薬物投与検体.医学検査 56:301-301,2007
5) 佐々木匡秀,上田尚紀,北村元仕,他:人体成分のサンプリング.血液 32-32,講談社,1972
6) 中野幸弘:臨床化学検査ハンドブック(異常データと再検査).27-27,東洋紡績株式会社,2008
7) 中野幸弘:検査機器における精度保障範囲の下限,上限の決め方.精度管理Q&A No.16,A&Tホームページ(http://www.aandt.co.jp/jpn/faq/qc16.htm)
8) 日本臨床化学会クオリティマネジメント専門委員会:定量分析法における検出限界および定量限界の評価方法.臨床化学 35:280-294,2006
9) 日本臨床化学会機器専門委員会:Ph指示薬を用いたセル内温度モニタリング法.臨床化学 26:106-114,1997
10) 中野幸弘:検査データを保証するための自動分析装置の基礎知識 2.自動分析装置のモニターの上手な使い方.Medical Technology 30:1273-1278, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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