文献詳細
文献概要
疾患と検査値の推移
結核
著者: 猪狩英俊1
所属機関: 1独立行政法人国立病院機構千葉東病院呼吸器センター
ページ範囲:P.223 - P.228
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「2週間以上続く咳は結核を疑いましょう」という言葉に代表されるように,肺結核患者の半数以上に慢性の咳がみられる.結核の臨床症状はさまざまである.呼吸器症状としては,咳嗽,喀痰,血痰,喀血,胸痛,呼吸困難が挙げられる.全身症状としては,発熱,盗汗,全身倦怠感,易疲労感,体重減少,食欲不振,不快感,衰弱感である.結核だけに特徴的なものではないので,これらの症状を呈した患者を診療する際に,鑑別疾患として結核を意識することが必要である.
2011年の統計によると,64歳以下の世代では,約20%が健診で発見されている1).このなかには無症状の者や,症状はあっても軽微の者も含まれている.結核は潜行性に進行し,徐々に臨床症状が顕在化するため,症状の発現時期が明確でない場合が多い.65歳以上の世代では,健診発見の割合が減少し,症状が出現することを契機に診断される者の割合が90%前後となる.高齢者は他疾患で外来または入院中に発見される機会が多く,結核を疑う症状があった場合は,積極的に胸部X線検査などを実施することが必要である.
「2週間以上続く咳は結核を疑いましょう」という言葉に代表されるように,肺結核患者の半数以上に慢性の咳がみられる.結核の臨床症状はさまざまである.呼吸器症状としては,咳嗽,喀痰,血痰,喀血,胸痛,呼吸困難が挙げられる.全身症状としては,発熱,盗汗,全身倦怠感,易疲労感,体重減少,食欲不振,不快感,衰弱感である.結核だけに特徴的なものではないので,これらの症状を呈した患者を診療する際に,鑑別疾患として結核を意識することが必要である.
2011年の統計によると,64歳以下の世代では,約20%が健診で発見されている1).このなかには無症状の者や,症状はあっても軽微の者も含まれている.結核は潜行性に進行し,徐々に臨床症状が顕在化するため,症状の発現時期が明確でない場合が多い.65歳以上の世代では,健診発見の割合が減少し,症状が出現することを契機に診断される者の割合が90%前後となる.高齢者は他疾患で外来または入院中に発見される機会が多く,結核を疑う症状があった場合は,積極的に胸部X線検査などを実施することが必要である.
参考文献
1) 公益財団法人結核予防会:結核の統計2011.公益財団法人結核予防会,2011
2) 日本結核病学会用語委員会:新しい結核用語事典.南江堂,2008
3) World Health Organization (WHO), Stop TB Partnership : 2009 update TUBERCULOSIS FACTS. 2009 (http://www.who.int/tb/publications/2009/tbfactsheet 2009update one page.pdf)(2011年12月9日閲覧)
4) American Thoracic Society : Targeted tuberculin testing and treatment of latent tuberculosis infection. Am J Respir Crit Care Med 161:S221-247,2000
5) 日本結核病学会:結核診療ガイドライン.南江堂,2009
6) 日本結核病学会抗酸菌検査法検討委員会:結核菌検査指針2007,結核予防会,2007
7) 日本結核病学会予防・治療合同委員会:核酸増幅法による結核菌検査の臨床での利用について.結核 70:711-712,1995
8) 日本結核病学会治療委員会:抗結核薬使用中の肝障害への対応について.結核 82:115-118,2007
9) WHO : TUBERCULOSIS Serodiagnostic Tests Policy Statement 2011.2011(http://www.who.int/tb/features archive/factsheet serodiagnostic test.pdf)
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