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前立腺生検後の尿中に認められる特殊赤血球
著者: 上東野誉司美1 八木靖二1 友田美穂子1 吉羽勢津子1 滝澤久暢1 三宅一徳2
所属機関: 1がん研有明病院臨床検査第I部 2順天堂大学医学部臨床検査医学
ページ範囲:P.243 - P.245
文献購入ページに移動2011年5月,尿沈渣検査の新たな標準法『JCCLS GP1-P4(尿沈渣検査法2010)』が発刊された.新標準法の変更点の一つとして赤血球の分類法が挙げられる.前標準法の『JCCLS GP1-P3(尿沈渣検査法2000)』では,赤血球は“変形赤血球”(dysmorphic RBC)と“均一赤血球”(isomorphic RBC)とに分類されていた.しかし,本改定では,“糸球体型赤血球”と“非糸球体型赤血球”という出血部位を推定した分類が採用されている.これは,赤血球の分類が単純な変形所見のみでは不十分であり,より詳細な形態観察と他の尿沈渣所見を総合的に考慮して由来を鑑別しようという意図に基づくものと考えられる.
さらに筆者らが見いだした特有な変形を示す赤血球(特殊赤血球)も赤血球の分類が変更された理由の一つと示唆される.その特殊赤血球は,一見糸球体型赤血球に類似した形状を示す赤血球であった.この特殊赤血球は,尿沈渣検査法2010において「膜部顆粒成分凝集状脱ヘモグロビン赤血球」として非糸球体型赤血球に分類されている.ここでは,この特殊赤血球検出の経緯や鑑別ポイントなどを紹介する.
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