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日本臨床細胞学会が目指すもの
著者: 佐々木寛12
所属機関: 1特定非営利活動法人日本臨床細胞学会 2東京慈恵会医科大学附属柏病院産婦人科
ページ範囲:P.388 - P.388
文献購入ページに移動近年,臨床統計学の進歩により,検診事業のエビデンスの見直しがなされ,現在のところ細胞診を用いた検診で,死亡率を低下することができる検診は子宮頸癌のみである.残念ながら,肺癌,子宮内膜癌,消化器癌,泌尿器科癌では死亡率を下げるエビデンスは報告されていない.また,子宮頸癌検診においてもヒトパピローマウイルス(human papilloma virus,HPV)の検査法の開発やHPVワクチンの普及に伴い,将来子宮頸癌の発症が減り,細胞診診断法の需要の低下が考えられる.現在,東日本大震災,東京電力福島原子力発電所におけるチェルノブイリ級の放射性物質飛散と,わが国全体が危機的状況にある.このわが国の難局の時期において本学会としても不測の新たな課題が起こることも考えられ,その課題に適正かつ迅速な判断と対応が求められている.
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