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左副腎の骨髄脂肪腫
著者: 手島伸一1 鈴木由美1 平野美和2
所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2同愛記念病院泌尿器科
ページ範囲:P.424 - P.424
文献購入ページに移動60歳代,女性.膀胱刺激症状と潜血尿で当院泌尿器科を受診.腹部超音波を施行し,左腎上極に84×79mmの内部エコーほぼ均一なhigh echoic massを認めた.明らかなhaloはみられない.腎の血管筋脂肪腫や副腎の骨髄脂肪腫(myelolipoma)を疑ったが悪性も否定できなかった.入院後の腹部CTでは,左腎頭側方に70×64×63mmの脂肪性腫瘤があり,左副腎の骨髄脂肪腫が最も疑われたが脂肪腫や高分化脂肪肉腫も否定できず,左腎副腎全摘が行われた.病理学的には,左副腎に接して80×80×45mmの被膜に覆われた,褐色から一部黄色の脂肪織様の充実性腫瘍をみる.組織学的には骨髄脂肪腫であった.すなわち,脂肪細胞と,骨髄実質に類似した造血細胞の集簇とを認めた.脂肪細胞が80%,骨髄組織が20%ほどを占め,それら各構成細胞に異型はみられなかった.腫瘍と連続性に,既存の副腎が圧排されて認められた.
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