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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻5号

2012年05月発行

文献概要

臨床検査のピットフォール

感染症の免疫学的検査における偽陽性反応

著者: 出口松夫1 鍵田正智1 吉岡範1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院医療技術部

ページ範囲:P.451 - P.453

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はじめに

 感染症の免疫学的検査法は,生体内の微生物を直接的に検出する抗原測定法と,宿主免疫応答により産生される抗体を間接的に検出する抗体測定法に分類される.また,感染症検査の進歩は日進月歩であり,数多くの新しい検査機器・試薬が開発・市販されている.しかし,これら最新の検査試薬を使用しても偽陰性や偽陽性は出現する1~4).特に,感染症検査ではこの“偽の結果”が患者にとって重大な事態を招く可能性が高い.自動化が進む今日,誰が測定しても同じ結果が得られるようになったが,検査担当者の役割はこれらの“偽の結果”を発見し,“真の結果”を報告することにある.感染症検査において“真の結果”を報告するためには,検体の採取から結果の解釈に至るまでさまざまな注意点が存在するが5),本稿では感染症検査の宿命ともいえる検出感度に起因する偽陽性について述べる.

参考文献

1) 出口松夫,鍵田正智,山下順香,他:HCV抗体検査法の比較.感染症誌 76:711-720,2002
2) 出口松夫,鍵田正智,浅利誠志,他:HBs抗原検出感度と変異株検出能における7種類の免疫学的測定試薬の評価.感染症誌 79:138-142,2005
3) 吉岡範,出口松夫,鍵田正智,他:6種類のTreponema pallidum(TP)抗体測定法の比較.日臨検自動化会誌 33:26-31,2008
4) 喜多美文,出口松夫,鍵田正智,他:5種のHIVスクリーニング検査の評価.日臨検自動化会誌 33:183-189,2008
5) 出口松夫:感染症マーカー正確な結果を得るためのポイント.日臨検自動化会誌 36:62-65,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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