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てんかん原性病変
著者: 新井信隆1
所属機関: 1東京都医学総合研究所脳発達・神経再生研究分野
ページ範囲:P.454 - P.456
文献購入ページに移動てんかんは,大脳皮質の神経細胞の過剰興奮あるいは脱抑制による機能異常が反復して繰り返されることにより生じる発作であり,脳波検査において棘波が検出される病態の総称である.神経細胞のこのような突発性の機能異常を,てんかん性発射,もしくはてんかん性放電(epileptic discharge)と呼んでいる.
脳波上で棘波が生じている神経細胞が存在する場所(大脳皮質)が比較的限局している場合は部分発作を生じ,広汎に大脳皮質に伝播した場合は全般発作が生じる.代表的な部分発作は,①けいれんや姿勢の変化などの運動発作,②胃部不快感や発汗異常などの自律神経発作,③嗅覚異常やめまいなどの感覚発作,④気分や記憶の障害の精神発作である.全般発作には,①意識が短時間失われる欠神発作,②筋肉の一部が不随意に収縮するミオクロニー発作,③比較的長い時間にわたり筋肉が収縮する強直発作や強直間代発作,④突然脱力して転倒する脱力発作がある.そして,このようなさまざまな臨床症状を引き起こす脳内の“病変”をてんかん原性病変(epileptogenic lesion)と総称する1).
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