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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻7号

2012年07月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈微生物〉

G群溶血レンサ球菌感染症

著者: 小栗豊子1

所属機関: 1亀田総合病院臨床検査部

ページ範囲:P.626 - P.631

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はじめに

 溶血レンサ球菌感染症は2000年頃よりその動向に変化がみられ,それまであまり顧みられなかったB群(Streptococcus agalactiae)やC,G群レンサ球菌の侵襲性感染症が増加し,リスクのある高年齢者の間で大きな問題となっている.G群レンサ球菌には複数の菌種が含まれているが,このうちのS. dysgalactiae subsp. equisimilis(SDSE)はヒトに重篤な感染症を引き起こし,菌種の性状や病原性はA群菌のS. pyogenesと極めて類似することが明らかにされてきた1).また,SDSEはG群のみならずC,A,L群の抗原を有する菌株が存在することが確認されている.本稿ではLancefieldの分類と菌種との関係を整理したのち,SDSEを中心とした溶血レンサ球菌感染症の最近の動向について解説する.

参考文献

1) 勝川千尋,田丸亜貴,森川嘉郎,他:A群抗原を保有するStreptococcus dysagalactiae subsp. equismilis. IASR 25:257-258,2004
ed, Vol.1.ASM Press, Washington, DC,pp412-429,2007
3) Lancefield RC : A serological differentiation of human and other groups of hemolytic streptococci. J Exp Med 57:571-595,1933
4) 勝川千尋,田丸亜貴,森川嘉郎:LancefieldのA群抗原を保有するStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilis.感染症誌 76:155-160,2002
5) 三澤慶樹,奥川周,生方公子,他:G群に凝集するStreptococcus dysgalactiae subsp. equisimilisによる劇症型溶血レンサ球菌感染症の1例.感染症誌 80:436-439,2006
6) 小栗豊子(編):臨床微生物検査ハンドブック,第4版.三輪書店,pp149-150,2010
7) 青木眞:レジデントのための感染症診療マニュアル,第2版.医学書院,pp993-1008,2009
8) 横浜市衛生研究所:B群レンサ球菌感染症について.(www.city.yokohama.lg.jp/kenko/eiken/idsc/disease/gbs1.html)
9) 勝川千尋,田丸亜貴,森川嘉郎,他:Streptococcus pyogenesのM蛋白遺伝子(emm)型別.感染症誌 76:238-245,2002
10) 生方公子:重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析,その診断治療に関する研究(H22-新興・一般013)速報 平成22年度:分子疫学解析.北里大学北里生命科学研究所,2011
11) 生方公子,砂押克彦,小林玲子,他:C群およびG群溶血性レンサ球菌による侵襲性感染症についてのアンケート調査.感染症誌 80:480-487,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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