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文献詳細

雑誌文献

検査と技術40巻8号

2012年08月発行

文献概要

技術講座 細胞診

尿路上皮癌と鑑別を要する反応性異型尿路上皮およびその病態

著者: 都築豊徳1 瀬古周子2

所属機関: 1名古屋第二赤十字病院病理診断科 2名古屋第二赤十字病院医療技術部病理検査

ページ範囲:P.691 - P.695

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新しい知見

尿路上皮系悪性腫瘍(腎盂癌,尿管癌,膀胱癌)の診断において,尿細胞診は重要な役割を果たしている.さまざまな病態や治療に伴って,反応性もしくは変性異型尿路上皮細胞が尿中にしばしば出現する.細胞異型が顕著な異型尿路上皮では尿路上皮癌との鑑別が困難な場合がある.本稿ではこれらの異型尿路上皮細胞の特徴を解説するとともに,主な鑑別方法を示す.近年,BKウイルスの再活性化による腎障害症例では,尿中にデコイ細胞(decoy cell)が出現することが知られてきた.尿中デコイ細胞の認識は臓器移植患者の腎障害の重要な判断基準となってきている.移植時に出現するデコイ細胞の主な細胞所見も示す.

参考文献

1) 日本泌尿器科学会,日本病理学会,日本放射線学会:腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約,第1版.金原出版,2011
2) Gardner SD, Field AM, Coleman DV, et al : New human papovavirus (B.K.) isolated from urine after renal transplantation. Lancet 297:1253-1257,1971
3) Hirsch HH, Knowles W, Dickenmann M, et al : Prospective study of polyomavirus type BK replication and nephropathy in renal-transplant recipients. N Engl J Med 347:488-496,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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