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オピニオン
血管診療技師(CVT)
著者: 市来正隆12
所属機関: 1JR仙台病院 2JR仙台病院血管診療センター
ページ範囲:P.702 - P.702
文献購入ページに移動 本稿では「いま,なぜ血管診療なのか」,そして血管診療技師(clinical vascular technologist,CVT)とその認定制度の必要性について考えてみたい.血管診療では動脈,静脈,そしてリンパ管の疾患を扱っている.下肢静脈瘤,閉塞性動脈硬化症,下肢深部静脈血栓症,リンパ浮腫,糖尿病足病変といった,日常診療でも遭遇する機会が多い疾患が主である.
血管診療で取り扱う疾患は大動脈瘤を除くとほとんどが下肢の疾患である.血管外科医は欧米でいうところの“足病医(podiatrist)”の役割を担っている.フットケアを要する疾患だからといって「たかが足の病気」というわけではない.アテローム血栓症や静脈血栓塞栓症のように重大な原因や基礎疾患が潜んでいることがある.一方,わが国は超高齢社会であり,長寿の希求は当然のこと,健康寿命に対する認識が高まりつつある.長寿に強く関連するのがアテローム血栓症であり,また健康寿命を大きく左右するのは運動器症状を呈する機能的慢性疾患である.高齢社会と健康寿命のキーワードは「動脈硬化予防」と「フットケア」となり,血管診療が果たす役割は小さいものではない.
血管診療で取り扱う疾患は大動脈瘤を除くとほとんどが下肢の疾患である.血管外科医は欧米でいうところの“足病医(podiatrist)”の役割を担っている.フットケアを要する疾患だからといって「たかが足の病気」というわけではない.アテローム血栓症や静脈血栓塞栓症のように重大な原因や基礎疾患が潜んでいることがある.一方,わが国は超高齢社会であり,長寿の希求は当然のこと,健康寿命に対する認識が高まりつつある.長寿に強く関連するのがアテローム血栓症であり,また健康寿命を大きく左右するのは運動器症状を呈する機能的慢性疾患である.高齢社会と健康寿命のキーワードは「動脈硬化予防」と「フットケア」となり,血管診療が果たす役割は小さいものではない.
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