検査と技術40巻8号

2012年08月発行

Laboratory Practice 〈移植医療〉

―移植医療と検査⑪―脳死移植のための神経生理学的検査―脳死判定時の脳波検査を含む

著者： 久保田稔¹ 横田裕行²

所属機関： ¹日本医科大学医学部多摩永山病院中央検査室 ²日本医科大学大学院侵襲生体管理学・救急医学

ページ範囲：P.710 - P.714

脳死下臓器提供

　2010年7月17日に「臓器の移植に関する法律の一部を改正する法律(いわゆる改正臓器移植法案)」が施行されたことにより，改正後の脳死下臓器提供は急激に増加し，改正前の約10年の提供数を改正後は2年もせずに追い抜いている状況である．

　実際に脳死下臓器提供を行うための法的脳死判定は，一般的に臨床現場で使う予後不良を判断するための検査とは異なり，法律やガイドラインに沿った手順に準拠することが求められており，そのガイドラインは平成22年度厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特別事業「臓器提供施設における院内体制整備に関する研究」の「脳死判定基準のマニュアル化に関する研究班」が作成した「法的脳死判定マニュアル」¹⁾に記載されている．

参考文献

1) 横田裕行，久保田稔，芦刈淳太郎，他：法的脳死判定マニュアル，厚生労働科学研究費補助金厚生労働科学特研究事業「臓器提供施設における院内体制整備に関する研究」「脳死判定基準のマニュアル化に関する研究班」平成22年度報告書

2) 竹内一夫，貫井英明，横田裕行，他：脳死判定の疑義解釈，厚生省厚生科学研究費特別研究事業「脳死判定疑義解釈に関する研究班」平成11年度報告書