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臨床医からの質問に答える
残余血清を用いて追加検査をしたいのですが,主な成分の安定性を教えてください
著者: 山崎浩和1 高野勝弘1 尾崎由基男1
所属機関: 1山梨大学医学部附属病院検査部
ページ範囲:P.755 - P.759
文献購入ページに移動血清は大部分の生化学検査に用いられる検体であるため,オーダーされた検査項目を測定し終えた後も残った血清は再検査などのために一定期間保管されるのが普通である.このような検体は“残余血清”と呼ばれ,検査室には日に数件,主治医から検査の追加オーダーが入る.単なるオーダー漏れから,刻々と変化する患者の状態に対処すべく治療指針を決定するための追加オーダーまでさまざまである.
生体試料は一般に不安定なものが多く,最も一般的な血液検体の血清でも不安定性は例外ではない.酸化や加水分解に加え自己分解などによる濃度の低下や酵素の失活のほかに,血液中に共存する各種酵素成分の代謝変化など干渉作用は複雑である.したがって,本稿においては検査に携わる者として必要な血清検体の安定性と取り扱いについて注意点を述べたい.
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