文献詳細
Laboratory Practice 〈微生物〉
文献概要
はじめに
インフルエンザウイルスは,オルトミクソウイルス科に属するRNAウイルスで,ウイルス粒子表面上に存在する抗原性の違いにより主にA型・B型・C型の3種類に区別される.ヒトインフルエンザの原因ウイルスとしてA型・B型が知られており,ウイルス粒子表面には赤血球凝集素(hemagglutinin,HA)とノイラミニダーゼ(neuraminidase,NA)という糖蛋白が存在する.特に,A型インフルエンザウイルスはHAとNAの変異が多いが,B型インフルエンザウイルスは変異が少ない.
インフルエンザウイルスに感染すると,短い潜伏期間を経て突然の高熱,頭痛,腰痛,全身倦怠などの全身症状に始まり,鼻汁,咽頭痛,咳などの呼吸器症状が主であるが,高齢者や小児の場合,稀に急性脳症や二次感染により重症化することもあるとされている.
インフルエンザ感染症の診断は,培養法,遺伝子検査,抗原検出法があるが,培養法は時間を要するうえ施行可能な施設が限られている,遺伝子検査は,特殊技術を要するため日常検査としては不適である.一方,抗原検出法は迅速性に優れており,日常検査に応用されるようになり,さまざまな診断用キットが開発されている.本稿では,日常検査に使用されている抗原検出法を中心に述べる.
インフルエンザウイルスは,オルトミクソウイルス科に属するRNAウイルスで,ウイルス粒子表面上に存在する抗原性の違いにより主にA型・B型・C型の3種類に区別される.ヒトインフルエンザの原因ウイルスとしてA型・B型が知られており,ウイルス粒子表面には赤血球凝集素(hemagglutinin,HA)とノイラミニダーゼ(neuraminidase,NA)という糖蛋白が存在する.特に,A型インフルエンザウイルスはHAとNAの変異が多いが,B型インフルエンザウイルスは変異が少ない.
インフルエンザウイルスに感染すると,短い潜伏期間を経て突然の高熱,頭痛,腰痛,全身倦怠などの全身症状に始まり,鼻汁,咽頭痛,咳などの呼吸器症状が主であるが,高齢者や小児の場合,稀に急性脳症や二次感染により重症化することもあるとされている.
インフルエンザ感染症の診断は,培養法,遺伝子検査,抗原検出法があるが,培養法は時間を要するうえ施行可能な施設が限られている,遺伝子検査は,特殊技術を要するため日常検査としては不適である.一方,抗原検出法は迅速性に優れており,日常検査に応用されるようになり,さまざまな診断用キットが開発されている.本稿では,日常検査に使用されている抗原検出法を中心に述べる.
参考文献
1) 三田村敬子,清水英明,山崎雅彦,他:インフルエンザA1(H1N1)pdm2009ウイルスを識別して検出するインフルエンザウイルス抗原検出試薬.医学と薬学 67:137-142,2012
2) 三田村敬子,山崎雅彦,片田順一,他:銀増幅イムノクロマトグラフィー法を用いた高感度インフルエンザ迅速診断システムの臨床検討.医学と薬学 67:307-314,2012
掲載誌情報