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臨床検査のピットフォール
血清用採血管の凝固促進剤に注意
著者: 大西宏明1
所属機関: 1杏林大学医学部臨床検査医学
ページ範囲:P.852 - P.853
文献購入ページに移動はじめに
血液生化学検査の多くは,血清を用いて測定が行われる.その際に,フィブリンの析出による検査値の変動や測定機器のトラブルを避けるためには,十分に凝固した検体を用いて遠心分離する必要がある.通常,無添加の血液で十分な凝固を得るためには30分間程度の静置が必要とされる.しかしながら,近年は外来迅速検体検査加算の保険収載などに伴い,従来以上に迅速な検査結果の報告が求められるため,30分間程度の静置時間でさえも確保が難しい状況もしばしばみられる.また,脳・心血管系疾患のために抗凝固薬を服用している患者も多く,30分間程度では十分な凝固が得られない検体に遭遇することも稀ではない.そのため,最近は多くの施設で,血液凝固までの時間を短縮する目的で凝固促進剤入りの採血管を用いている.本稿では,血清用採血管の凝固促進剤に関する注意点について述べる.
血液生化学検査の多くは,血清を用いて測定が行われる.その際に,フィブリンの析出による検査値の変動や測定機器のトラブルを避けるためには,十分に凝固した検体を用いて遠心分離する必要がある.通常,無添加の血液で十分な凝固を得るためには30分間程度の静置が必要とされる.しかしながら,近年は外来迅速検体検査加算の保険収載などに伴い,従来以上に迅速な検査結果の報告が求められるため,30分間程度の静置時間でさえも確保が難しい状況もしばしばみられる.また,脳・心血管系疾患のために抗凝固薬を服用している患者も多く,30分間程度では十分な凝固が得られない検体に遭遇することも稀ではない.そのため,最近は多くの施設で,血液凝固までの時間を短縮する目的で凝固促進剤入りの採血管を用いている.本稿では,血清用採血管の凝固促進剤に関する注意点について述べる.
参考文献
1) Fukugawa Y, Ohnishi H, Ishii T, et al : Effect of the carryover of clot activators on coagulation tests during phlebotomy. Am J Clin Pathol 137:900-903,2012
2) 日本臨床検査標準協議会(編):標準採血法ガイドライン(GP4-A2).学術広告社,2011
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