icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻1号

2013年01月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

心エコーで血栓はどのように見えるのですか?

著者: 福西雅俊1

所属機関: 1北海道社会事業協会帯広病院臨床検査科

ページ範囲:P.60 - P.63

文献購入ページに移動
はじめに

 血栓の形成には,Virchowが提唱した三大要因が重要であり,その要因として,①血流うっ滞,②内膜傷害,③凝固能亢進,が挙げられている.これら三大要因はVirchow's triadと呼ばれており,この概念は現在も確固たる地位を築いており,これらの要因が互いに密接に影響し合い病的血栓を形成すると考えられている.

 心腔内血栓の存在は塞栓症として,脳梗塞,末梢動脈閉塞などの重篤な合併症を引き起こし,予後を悪化させるため,早期診断および治療,予防が重要となる.心エコー検査は,心腔内血栓の存在を診断することができ,非侵襲的に繰り返し施行することが可能である.そのため,治療効果の判定にも有用であり,日常臨床では必要不可欠な検査法である.

 本稿では,心エコー検査による心腔内血栓の描出のされ方,評価の仕方を中心に解説する.

参考文献

1)増田喜一,遠田栄一(編):心臓超音波テキスト 第2版.医歯薬出版,pp81-95,2009
2)窪田佳代子,木佐貫彰,鄭忠和:特集 経食道心
エコー法を極める~左房内血栓,腫瘍を評価する~.心エコー 8:1004-1009,2007
3)赤坂隆史,吉川純一,笠貫宏,他(編):新・心臓病診療プラクティス2心疾患の手術適応と至適時期.文光堂,pp123-125,2004
4)安藤太三,應儀成二,小川聡,他:肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断,治療,予防に関するガイドライン.Circ J 68(Suppl):1079-1134,2004
5)古寺研一:肺血栓塞栓症の原因検査.Cardiologist 2:173-176,1997
6)矢坂正弘:脳塞栓症の塞栓源探し~卵円孔開存と心房中隔瘤の診断方法~.心エコー 8:498-505,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら