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検査と技術41巻1号

2013年01月発行

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トピックス

沖縄県で発生したツツガムシ病

著者: 高田伸弘1

所属機関: 1福井大学

ページ範囲:P.76 - P.79

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はじめに

 ツツガムシ病は,わが国のいわゆる本土内では,紆余曲折はありながら以前から相当知られた感染症であり,感染症法上では4類に属して毎年の届け出数はレジオネラに次いで多い(実際は確認や,届け出されない本病発生数は数倍との見方もある)1,2)

 ところが,沖縄県では,隣接の鹿児島県で感染して沖縄県に移入され届け出された単発例の記録はあったものの,ほかには県内臨床医からの確度の高い情報もない状態が続いていた.ようやく,2008年に県内を原発とする1例が見いだされたが3),その発生地は日本列島西端地域の宮古島であったことは大方の予想外のことであった,今回はその経緯を中心に紹介したい.

参考文献

1)高田伸弘:病原ダニ類図譜.金芳堂,1990
2)SADI組織委員会(編):ダニと新興再興感染症.全国農村教育協会,2007
3)平良勝也,岡野祥,仁平稔,他:沖縄県宮古島で初めて確認されたつつが虫病.病原微生物検出情報 30:17-18,2009
4)高田伸弘:東南アジアにおけるリケッチャ感染症の疫学―地理病理学の視点から.化学療法の領域 21:59-66,2005
5)厚労省科研班:新興・再興感染症研究事業「リケッチアを中心としたダニ媒介性細菌感染症の総合的対策に関する研究」.2009-2011年度報告書.厚生労働省,2011
6)安谷屋昭:沖縄県池間島の自然環境.平良市総合博物館紀要 7:101-124,2000
7)多村憲:恙虫病病原体の微生物学.日本細菌誌 54:815-832,1995
8)高田伸弘:最近のリケッチア症.検査と技術 39:262-268,2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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