文献詳細
文献概要
Laboratory Practice 〈免疫・生化学〉
even check法によるリアルタイム精度管理
著者: 畑中徳子1
所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床検査部
ページ範囲:P.1082 - P.1086
文献購入ページに移動はじめに
診察前検査が導入されリアルタイム精度管理の必要性が高まっている.生化学検査においては,一定時間または一定検体数ごとに管理血清を測定し管理しているが,リアルタイムというわけではない.また,CEA(carcinoembryonic antigen)などの免疫学的測定法では1測定当たりのコストが高いことから,生化学検査のように反復して管理血清を測定することは少なく,リアルタイムはなおさら難しい.
本稿で取り上げるeven check法(real-time Δ value distribution even check法)は,患者検体の前回値との差の分布をリアルタイムにモニタリングし,分析中に起こりうる測定状態の変化をいち早く捉えようする方法である.even check法は分析中の患者測定値を用いるという特徴から,リアルタイム精度管理および免疫学的測定法における試薬lot間差の管理の2点に応用することが可能である.以下に,この2点について述べる.
診察前検査が導入されリアルタイム精度管理の必要性が高まっている.生化学検査においては,一定時間または一定検体数ごとに管理血清を測定し管理しているが,リアルタイムというわけではない.また,CEA(carcinoembryonic antigen)などの免疫学的測定法では1測定当たりのコストが高いことから,生化学検査のように反復して管理血清を測定することは少なく,リアルタイムはなおさら難しい.
本稿で取り上げるeven check法(real-time Δ value distribution even check法)は,患者検体の前回値との差の分布をリアルタイムにモニタリングし,分析中に起こりうる測定状態の変化をいち早く捉えようする方法である.even check法は分析中の患者測定値を用いるという特徴から,リアルタイム精度管理および免疫学的測定法における試薬lot間差の管理の2点に応用することが可能である.以下に,この2点について述べる.
参考文献
1)畑中徳子,倉村英二,山本慶和:患者検体を用いたリアルタイム精度管理even check法の有効性評価 FT4の場合.日臨検自動化会誌 36:553,2011
2)畑中徳子,倉村英二,山本慶和:患者検体を用いた新たなリアルタイム精度管理(even check)法によるカルシウムおよびリンの測定エラー検出.日臨検自動化会誌 35:480,2010
3)畑中徳子,倉村英二,山本慶和:リアルタイム精度管理even check法の特性についての評価.日臨検自動化会誌 37:675,2012
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