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病気のはなし
特発性血小板減少性紫斑病(ITP)
著者: 冨山佳昭1
所属機関: 1大阪大学医学部附属病院輸血部
ページ範囲:P.1114 - P.1119
文献購入ページに移動特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura,ITP)は,抗血小板膜糖蛋白(glycoprotein,GP)Ⅱb-Ⅲaや抗GPⅠb-Ⅸなどの抗血小板自己抗体によって脾臓での血小板破壊が亢進し,また,血小板減少をきたす後天性の自己免疫疾患である.最近,ITPにおいて血小板造血も障害されていることが明らかとなってきた.ITPの診断は除外診断が主体であるが,その病態が明らかにされるに従って,網状血小板比率(%)や血漿トロンボポエチン(thrombopoietin,TPO)濃度など,病態に即した検査法の有用性が明らかにされつつある.本稿では,ITPの病態とその検査法とともに,新たな治療薬であるTPO受容体作動薬に関して述べる.
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