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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻12号

2013年11月発行

文献概要

病気のはなし

特発性血小板減少性紫斑病(ITP)

著者: 冨山佳昭1

所属機関: 1大阪大学医学部附属病院輸血部

ページ範囲:P.1114 - P.1119

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サマリー

特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenic purpura,ITP)は,抗血小板膜糖蛋白(glycoprotein,GP)Ⅱb-Ⅲaや抗GPⅠb-Ⅸなどの抗血小板自己抗体によって脾臓での血小板破壊が亢進し,また,血小板減少をきたす後天性の自己免疫疾患である.最近,ITPにおいて血小板造血も障害されていることが明らかとなってきた.ITPの診断は除外診断が主体であるが,その病態が明らかにされるに従って,網状血小板比率(%)や血漿トロンボポエチン(thrombopoietin,TPO)濃度など,病態に即した検査法の有用性が明らかにされつつある.本稿では,ITPの病態とその検査法とともに,新たな治療薬であるTPO受容体作動薬に関して述べる.

参考文献

1) Cines DB, Blanchette VS : Immune thrombocytopenic purpura. N Engl J Med 346:995-1008,2002
2) 冨山佳昭:特発性血小板減少性紫斑病.臨血 49:1298-1305,2008
3) 冨山佳昭:トロンボポエチン受容体作動薬による難治性ITPの治療.臨血 52:627-632,2011
4) 林悟,西山美保,末久悦次,他:網状血小板測定法2法の比較検討と臨床的有用性の検討―フローサイトメトリー(FCM)法と多項目自動血球分析装置XE-2100による自動測定(IPF)法.臨病理 57:1039-1044,2009
5) Kurata Y, Hayashi S, Kiyoi T, et al : Diagnostic value of tests for reticulated platelets, plasma glycocalicin, and thrombopoietin levels for discriminating between hyperdestructive and hypoplastic thrombocytopenia. Am J Clin Pathol 115:656-664,2001
6) 藤村欣吾,宮川義隆,倉田義之,他:成人特発性血小板減少性紫斑病治療の参照ガイド2012年版.臨血 53:433-442,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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