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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻12号

2013年11月発行

文献概要

トピックス

Helicobacter cinaedi

著者: 橋本幸平1 大塚喜人1

所属機関: 1亀田総合病院臨床検査部

ページ範囲:P.1184 - P.1185

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はじめに

 Helicobacter cinaediは1989年までCampylobacterに属し,Campylobacter cinaediと呼称されていたが,Helicobacter属が新設された際に移籍された.H. cinaediはヒトをはじめとするイヌやネコ,ハムスターなどの腸管に常在しているグラム陰性のらせん状桿菌である.本菌が最初に分離されたのはホモセクシャルのHIV(human immunodeficiency virus)感染患者であり1),cinaediはラテン語でhomosexualを意味している.海外の報告ではHIV感染者が大半を占めている.

 国内でも2003年以降,敗血症例での報告が増えてきており2),筆者らも関節リウマチ,透析,肺小細胞癌などの基礎疾患を有し,抗癌剤や免疫抑制剤の投与を受けている症例を多く経験している.基礎疾患がない患者からの検出も少なくない.また,発熱のほかに,蜂窩織炎を主症状とする患者が散見される.

参考文献

1) Fennell CL, Totten PA, Quinn TC, et al : Characterization of Campylobacter-like organisms isolated from homosexual men. J Infect Dis 149:58-66,1984
2) Murakami H, Goto M, Ono E, et al : Isolation of Helicobacter cinaedi from blood of an immunocompromised patient in Japan. J Infect Chemother 9:344-347,2003
3) 富田純子,菓子田充明,笈西一樹,他:Helicobacter属菌種迅速検出のための各種市販培地の性能評価.日臨微生物誌 18:227-235,2008
4) 田中孝志,後藤美江子,奥住捷子,他:血液培養からのHelicobacter cinaedi及びその類縁菌の分離培養と簡便同定法に関する検討.感染症誌 81:700-706,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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