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Helicobacter cinaedi
著者: 橋本幸平1 大塚喜人1
所属機関: 1亀田総合病院臨床検査部
ページ範囲:P.1184 - P.1185
文献購入ページに移動Helicobacter cinaediは1989年までCampylobacterに属し,Campylobacter cinaediと呼称されていたが,Helicobacter属が新設された際に移籍された.H. cinaediはヒトをはじめとするイヌやネコ,ハムスターなどの腸管に常在しているグラム陰性のらせん状桿菌である.本菌が最初に分離されたのはホモセクシャルのHIV(human immunodeficiency virus)感染患者であり1),cinaediはラテン語でhomosexualを意味している.海外の報告ではHIV感染者が大半を占めている.
国内でも2003年以降,敗血症例での報告が増えてきており2),筆者らも関節リウマチ,透析,肺小細胞癌などの基礎疾患を有し,抗癌剤や免疫抑制剤の投与を受けている症例を多く経験している.基礎疾患がない患者からの検出も少なくない.また,発熱のほかに,蜂窩織炎を主症状とする患者が散見される.
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