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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻13号

2013年12月発行

文献概要

病気のはなし

尿路結石

著者: 郡健二郎1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科腎・泌尿器科学分野

ページ範囲:P.1198 - P.1202

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サマリー

近年,「尿路結石は生活習慣病の一疾患である」という概念が定着した.そのことを反映するように,その発病率は増加の一途をたどっている.2005年の全国疫学調査によると,男性の約15%が一生涯に一度は尿路結石を罹患していることになる.尿路結石の歴史は古く,「水分摂取」を唱えたのはヒポクラテスだといわれている.18世紀には尿路結石の無機成分が同定され,尿酸結石とシスチン結石に対する溶解療法が開発された.筆者は,有機成分としてオステオポンチン(osteopontin,OPN)などの物質を同定した.この発見によって尿路結石の形成機序は細胞レベルで解明され,新たな治療法の開発につながっている.なかでも重要なポイントは,尿路結石は腎尿細管細胞を基盤として形成され,その機序は動脈硬化の石灰化形成に似ていることである.したがって,予防には,食事療法,高脂血症治療薬,緑茶などの抗酸化食品などが有用であることも明らかになっている.なお,外科的治療には,1985年にわが国に導入された体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy,ESWL)が約90%の結石患者に用いられている.

参考文献

1)日本泌尿器科学会,日本Endourology・ESWL学会,日本尿路結石症学会(編):尿路結石症診療ガイドライン,第1版.金原出版,2002
1)Preminger GM, Tiselius HG, Assimos DG, et al : EAU/AUA Nephrolithiasis Guideline Panel. 2007 guideline for the management of ureteral calculi. J Urol 178:2418-2434,2007
2)Türk C, Knoll T, Petrik A, et al : Guidelines on Urolithiasis. European Association of Urology,pp58-59,2010
3)郡健二郎(編):やさしい尿路結石の自己管理.医薬ジャーナル社,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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