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技術講座 病理
甲状腺細胞診のベセスダシステム
著者: 坂本穆彦1
所属機関: 1大森赤十字病院検査部
ページ範囲:P.91 - P.95
文献購入ページに移動現在,ベセスダシステムと呼ばれている細胞診報告様式は,子宮頸部と甲状腺の2領域で用いられている.子宮頸部では1988年に初版が公表され,現在では改訂版(2001年)が国際的にも広く流布している.一方,甲状腺では2007年に新しい報告様式として提唱されたあと,諸外国において急速に広まり,わが国以外のほとんどで用いられるに至っている.両者に共通する点の一つは,鏡検に適した標本が作製されているか否かをまず問うことである.これはパパニコロウ分類にはなかった視点である.判定区分では,甲状腺は“良性”,“悪性”および“中間的な病態”に分けたうえで推定病変を記載するのに対し,子宮頸部ではまず推定病変を記載し,判別の難しいものは別途定められたASC-US(atypical squamous cells of undetermined significance),ASC-H(atypical squamous cells cannot exclude HSIL)などに割り振る.
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