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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻2号

2013年02月発行

文献概要

技術講座 病理

分子病理学的検索を目的とした新規組織固定法

著者: 鈴木雄太1 畑中豊12 松野吉宏12

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科分子病理診断学 2北海道大学病院コンパニオン診断学研究部門

ページ範囲:P.102 - P.106

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新しい知見

遺伝子関連検査では,主として血液や喀痰などの臨床検体が用いられているが,最近の体細胞遺伝子検査の増加に伴い,病理組織検体,なかでもホルマリン固定パラフィン包埋(formalin-fixed paraffin-embedded,FFPE)検体の利用が急速に進んでいる.ホルマリンを用いた固定は組織や細胞の形態保持に優れている一方,その反応性の高さから生体高分子に化学的修飾を起こすことが知られており,これにより引き起こされる検体品質低下がプレアナリシス段階での課題とされている.近年こうした課題への取り組みの一環として組織固定を含めた新規の検体処理システムが開発されつつあり,欧州ではその有用性の検討が活発化している.

参考文献

1)Kap M, Smedts F, Oosterhuis W, et al : Histological assessment of PAXgene tissue fixation and stabilization reagents. PLoS ONE 6:e27704,2011
2)日本臨床検査標準協議会・遺伝子関連検査標準化専門委員会(編):遺伝子関連検査・検体品質管理マニュアル.学術広告社,2009
3)van Dongen JJ, Langerak AW, Brüggemann M, et al : Design and standardization of PCR primers and protocols for detection of clonal immunoglobulin and T-cell receptor gene recombinations in suspect lymphoproliferations : report of the BIOMED-2 concerted action BMH4-CT98-3936. Leukemia 17:2257-2317,2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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