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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻3号

2013年03月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

自己免疫性膵炎

著者: 川茂幸1 渡邊貴之2 丸山真弘2 小口貴也2 金井圭太2

所属機関: 1信州大学総合健康安全センター 2信州大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.189 - P.194

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はじめに

 自己免疫性膵炎は自己免疫学的機序が想定される膵臓の慢性炎症である.血中IgG4(immunoglobulin G4)値の上昇,病変組織へのリンパ球・形質細胞浸潤とIgG4陽性形質細胞浸潤,多彩な膵外病変の合併,が特徴である.膵外病変組織にもIgG4陽性形質細胞浸潤を認め,膵病変と同様の病態が存在すると考えられ,膵病変と膵外病変を統括した全身性疾患「IgG4関連疾患」が提唱された1).自己免疫性膵炎はIgG4関連疾患の膵病変と捉えることも可能である.これらはステロイド治療に良好に反応して,臨床所見,検査所見,画像所見が改善する.本稿では本症の診断時ならびに治療後の検査所見の推移を中心に述べる.

参考文献

1)「IgG4関連全身硬化性疾患の診断法の確立と治療方法の開発に関する研究」班「新規疾患IgG4関連多臓器リンパ増殖性疾(IgG4+MOLPS)の確立のための研究」班:IgG4関連疾患包括診断基準2011.日本内科学会雑誌101:795-804,2012
2)岡崎和一,下瀬川徹,伊藤鉄英,他:自己免疫性膵炎臨床診断基準2011(解説).膵臓25:1213-1224,2012
3)川茂幸:自己免疫性膵炎の免疫異常.日消誌105:494-501,2008
4)太田正穂,川茂幸:自己免疫性膵炎の免疫遺伝学的背景における最近の知見.最新医学67:1864-1872,2012
5)岡崎和一,川茂幸,神澤輝実,他:自己免疫性膵炎診療ガイドライン2009.膵臓24:1-54,2009
6)川茂幸,渡邊貴之,丸山真弘,他:自己免疫性膵炎の膵外病変とその診断.日消誌109:897-904,2012
7)Kawa S, Hamano H : Clinical features of autoimmune pancreatitis. J Gastroenterol 42 (Suppl 18):9-14,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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