検査と技術41巻3号

2013年03月発行

Laboratory Practice 〈免疫・血清〉

特異的IgE抗体検査―アレルゲンコンポーネントを利用した診断・検査

著者： 伊藤浩明¹

所属機関： ¹あいち小児保健医療総合センター　アレルギー科

ページ範囲：P.205 - P.208

文献概要

即時型アレルギー反応と特異的IgE抗体

　即時型アレルギー反応とは，主としてアレルゲン特異的IgE抗体が関与して，アレルゲン暴露から短時間（典型的には15分以内）のうちに症状が誘発される現象をいう．食物アレルゲンとしては鶏卵，牛乳，小麦，ピーナッツなどが代表的であり，急性蕁麻疹から呼吸器・消化器症状を伴うアナフィラキシー，さらには血圧低下を伴うアナフィラキシーショックに至ることもある．

参考文献

1）伊藤浩明：食物アレルゲン検索法の実際．アレルギー　57：1109-1116，2008

2）日本小児アレルギー学会：食物アレルギー診療ガイドライン2012．協和企画，2011

3）伊藤浩明：アレルゲン検索のための抗体検査．浜窪隆雄（監修）：新機能抗体開発ハンドブック．NTS，pp485-491，2012

4）Haneda Y, Kando N, Yasui M, et al : Ovomucoids IgE is a better marker than egg white-specific IgE to diagnose boiled egg allergy. J Allergy Clin Immunol　129：1681-1682，2012

5）尾辻健太，二村昌樹，漢人直之，他：ω-5グリアジン特異的IgE抗体検査の臨床的有用性について．アレルギー　60：971-982，2011

6）森田栄伸：食品アレルゲン　小麦．日本食品免疫学会（編集）：食品免疫・アレルギーの事典．朝倉書店，pp159-162，2011

7）伊藤浩明：アレルゲンコンポーネント特異的IgE抗体．アレルギー・免疫　20：74-83，2013