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メソテリン
著者: 福岡和也1
所属機関: 1兵庫医科大学がんセンター
ページ範囲:P.229 - P.230
文献購入ページに移動メソテリン(mesothelin)は,胸膜,腹膜および心膜腔の中皮内層の細胞膜表面に発現する糖蛋白である.さらに,膵臓癌,卵巣癌,中皮腫やその他の悪性腫瘍にも過剰発現することが報告されている.メソテリンの遺伝子は69kDaの前駆蛋白〔MPF(mesothelin/megakaryocyte potentiating factor)family proteins〕をコードし,この糖蛋白はfurin-like proteinaseで切断後N末端側は31kDaのMPFとして血中に放出される.C末端側40kDaの糖蛋白はメソテリンとして細胞膜に結合する(図1).メソテリンには3種類のvariant formが存在する.その一つは修飾されたカルボキシル基終末をもち,GPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカーを欠如し,細胞膜から遊離することから,可溶性メソテリン関連蛋白(soluble mesothelin-related peptides,SMRP)と呼ばれる1)(図1).
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