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技術講座 生理 シリーズ 基礎から学ぶ神経伝導検査─信頼されるデータを導き出すために・1
運動神経伝導検査
著者: 髙橋修1
所属機関: 1市川市リハビリテーション病院臨床検査科
ページ範囲:P.250 - P.259
文献購入ページに移動正中神経における多チャンネル導出法:正中神経は,第6~8頸髄および第1胸髄神経根に由来し,腕神経叢を経由して肘関節近位部にて円回内筋に分枝した後,上腕動脈の内側を通り,前骨間神経を出して前腕部を下行し,手関節部で横手根靱帯の下を通過して手掌内に入る.正中神経の障害としては,手関節部障害である手根管症候群が有名であるが,他にも肘関節近位部に起因した障害もある.正中神経肘関節部および上腕部刺激による短母指外転筋(abductor pollicis brevis,APB)と方形回内筋(pronator quadratus,PQ)の複合筋活動電位(compound muscle action potential,CMAP)同時導出により正中神経の障害部位の推測が可能であり,APBとPQのCMAPの両方に異常が認められれば前骨間神経分岐部より近位での障害,APBのみに異常が認められれば前骨間神経分岐部より遠位での障害が推測されることになる.
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