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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻4号

2013年04月発行

文献概要

技術講座 生理 シリーズ 基礎から学ぶ神経伝導検査─信頼されるデータを導き出すために・1

運動神経伝導検査

著者: 髙橋修1

所属機関: 1市川市リハビリテーション病院臨床検査科

ページ範囲:P.250 - P.259

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新しい知見

正中神経における多チャンネル導出法:正中神経は,第6~8頸髄および第1胸髄神経根に由来し,腕神経叢を経由して肘関節近位部にて円回内筋に分枝した後,上腕動脈の内側を通り,前骨間神経を出して前腕部を下行し,手関節部で横手根靱帯の下を通過して手掌内に入る.正中神経の障害としては,手関節部障害である手根管症候群が有名であるが,他にも肘関節近位部に起因した障害もある.正中神経肘関節部および上腕部刺激による短母指外転筋(abductor pollicis brevis,APB)と方形回内筋(pronator quadratus,PQ)の複合筋活動電位(compound muscle action potential,CMAP)同時導出により正中神経の障害部位の推測が可能であり,APBとPQのCMAPの両方に異常が認められれば前骨間神経分岐部より近位での障害,APBのみに異常が認められれば前骨間神経分岐部より遠位での障害が推測されることになる.

参考文献

1)千野直一:臨床筋電図・電気診断学入門,第3版.医学書院,1997
2)柴崎浩,柳沢信夫:神経生理を学ぶ人のために.医学書院,1990
3)藤原哲司:筋電図・誘発電位マニュアル,改訂第2版.金芳堂,1994
4)才藤栄一:リハビリテーションにおける電気神経生理学入門.リハビリテーション医学 32:571-578,1995
5)木村淳:誘発電位と筋電図 理論と応用.医学書院,pp78-79,1990
6)シン・J・オー(著),白井康正(監訳):筋電図実践マニュアル 各種検査法の手技とデータ解釈,第1版.医学書院MYW,27-30,1996
7)木村淳,幸原伸夫:神経伝導検査と筋電図を学ぶ人のために.医学書院,2003
8)山内孝治:知っておきたい神経伝導検査 基本的な検査方法とその注意点.Medical Technology 30:532-538,2002
9)山内孝治:臨床検査Q&A 尺骨神経絞扼障害に対する神経伝導検査の手順.Medical Technology 33:323-325,2005
10)山内孝治:末梢神経伝導検査.第38回日本臨床神経生理学会技術講習会テキスト.第31回日本神経生理学会学術大会事務局,pp207-209,2008
11)松浦雅人(編):臨床神経生理検査の実際,第1版.新興医学出版,2007
12)第15回臨床筋電図・電気診断学入門講習会テキスト.慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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