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尿の細胞診標本作製上のワンポイント
著者: 青木裕志1 浅見志帆1 飯野瑞貴1 松本俊治1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属練馬病院病理診断科
ページ範囲:P.280 - P.281
文献購入ページに移動尿細胞診は検体採取が容易であり,尿路上皮系腫瘍に対するスクリーニング検査として有用な検査法である.また,腎盂や尿管から尿を採取することにより,病変の局在がある程度特定できるなど,尿路上皮系腫瘍に対する診断的意義は大きい.一方で,尿検体は,標本上に十分量の細胞が得られ難いため,尿検体の細胞診断においては標本作製が重要な位置を占めている(表).尿中には上皮細胞のほかに,粘液や結晶などさまざまな成分が含まれており,これらの成分は標本作製過程で溶出しやすく,細胞剥離の要因となっている.したがって,良好な標本作製には,上皮細胞のみを効率よく採取し,塗抹することが重要である.
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