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臨床検査のピットフォール
不規則抗体検査における反応増強剤および酵素法の活用法
著者: 国分寺晃1
所属機関: 1広島国際大学保健医療学部
ページ範囲:P.305 - P.307
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患者(受血者)については,不適合輸血を防ぐため,輸血を実施する医療機関で責任をもって検査を実施しなければならない1).
不適合輸血による(致死的な)溶血反応は,ABO血液型の検査(オモテ検査とウラ検査,同一患者の二重チェック,同一検体の二重チェック),Rh(D)抗原の検査,不規則抗体スクリーニング検査,交差適合試験などを適切に実施することで予防が可能となる.適切に検査を実施するためには,各種検査の反応原理の把握はもちろん,自施設で使用している試薬の特徴や特異性を把握しておくことは重要であり,追加検査を含めた各種の反応結果の判断と検査精度の向上につながってくる.また,国内の指針・ガイドラインや日本輸血・細胞治療学会の求めている基準,海外における検査状況などを把握し,検査体制を整備することも重要となる.
患者(受血者)については,不適合輸血を防ぐため,輸血を実施する医療機関で責任をもって検査を実施しなければならない1).
不適合輸血による(致死的な)溶血反応は,ABO血液型の検査(オモテ検査とウラ検査,同一患者の二重チェック,同一検体の二重チェック),Rh(D)抗原の検査,不規則抗体スクリーニング検査,交差適合試験などを適切に実施することで予防が可能となる.適切に検査を実施するためには,各種検査の反応原理の把握はもちろん,自施設で使用している試薬の特徴や特異性を把握しておくことは重要であり,追加検査を含めた各種の反応結果の判断と検査精度の向上につながってくる.また,国内の指針・ガイドラインや日本輸血・細胞治療学会の求めている基準,海外における検査状況などを把握し,検査体制を整備することも重要となる.
参考文献
1)日本赤十字社血液事業本部医薬情報課:「輸血療法の実施に関する指針」(改定版)及び「血液製剤の使用指針」(改定版).2005年9月(2012年3月一部改正)
2)赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドライン作成委員会:赤血球型検査(赤血球系検査)ガイドラインについて.日本輸血学会雑誌 49:会報Ⅲ,2003
3)Wenz B, Apuzzo J, Shah DP : Evaluation of the polyethylene glycol-potentiated indirect antiglobulin test. Transfusion 30:318-321,1990
4)佐々木正照,山田美加子,金子礼子,他:各種検査法における赤血球IgG性同種抗体の検出感度の検討.日本輸血学会雑誌 49:640-645,2003
5)Okutsu M, Ohto H, Yasuda H, et al : Increased detection of clinically significant antibodies and decreased incidence of delayed haemolytic transfusion reaction with the indirect antiglobulin test potentiated by polyethylene glycol compared to albumin : a Japanese study. Blood Transfus 9:311-319,2011
6)国分寺晃:不規則抗体検査:カラム凝集法と用手法,反応増強剤と酵素法の活用法.日本輸血細胞治療学会誌 58:237,2012
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