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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻5号

2013年05月発行

文献概要

病気のはなし

播種性血管内凝固症候群(DIC)

著者: 朝倉英策1

所属機関: 1金沢大学附属病院高密度無菌治療部

ページ範囲:P.364 - P.370

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サマリー

播種性血管内凝固症候群(DIC)は,基礎疾患(急性白血病,固形癌,敗血症など)の存在下に全身性持続性の著しい凝固活性化をきたし,細小血管内に微小血栓が多発する重篤な病態である.凝固活性化(TAT上昇)とともに線溶活性化(PIC上昇)がみられるが,その程度は基礎疾患により相当な差異がみられる.進行すると血小板や凝固因子と言った止血因子が低下し,消費性凝固障害の病態となる.線溶抑制型DICは敗血症に代表され臓器症状がみられやすいのに対して,線溶亢進型DICはAPLや動脈瘤に代表され出血症状がみられやすい.線溶均衡型DICは中間的病態であり,固形癌例で多い.

参考文献

1)金沢大学 血液内科・呼吸器内科:血液・呼吸器内科のお役立ち情報.記事カテゴリ「播種性血管内凝固症候群(DIC)(図解)」(http://www.3nai.jp/weblog/entry/24539.html)
2)林朋恵,朝倉英策:播種性血管内凝固症候群の病態・診断.日本血栓止血学会編集委員会(編):わかりやすい血栓と止血の臨床,南江堂,pp190-194,2011
3)和田英夫,野村英毅:播種性血管内凝固症候群の治療.日本血栓止血学会編集委員会(編):わかりやすい血栓と止血の臨床,南江堂,pp195-199,2011
4)丸藤哲:救急領域における播種性血管内凝固症候群の診断と治療.日本血栓止血学会編集委員会(編):わかりやすい血栓と止血の臨床,南江堂,pp200-203,2011
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14)和田英夫,野間桂:プロスペクティブスタディからみたDIC診断基準.日血栓止血会誌 21:600-605,2010
15)森下英理子,林朋恵,朝倉英策:DIC診断に関する部会員アンケート調査結果.日血栓止血会誌 21:606-611,2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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