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Laboratory Practice 〈病理〉
胃底腺型胃癌
著者: 八尾隆史1 上山浩也2
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学 2順天堂大学大学院医学研究科消化器内科
ページ範囲:P.409 - P.413
文献購入ページに移動胃癌の組織学的分類として,世界的にはLauren分類(腸型:intestinal type,びまん型:diffuse type),わが国では中村分類(分化型:differentiated type,未分化型:undifferentiated type)を用いて2群に分けることで臨床病理学的特徴が異なることが指摘されてきた.その後の免疫染色の発達によって粘液形質的に胃癌を胃型と腸型に分類可能となり,それらの違いがより明瞭に示されるようになってきた.
胃底腺への分化を示す胃癌は2007年にTsukamotoら1)が最初に報告し,2010年に筆者らが胃底腺への分化を示す腺癌を胃癌の新しい組織型“胃底腺型胃癌”として提唱した2).この癌はHelicobacter pylori感染と無関係な胃癌と考えられ3),今後注目すべき胃癌である.
本稿では,胃底腺型胃癌の特徴と鑑別について解説するが,その理解のための基礎知識として免疫染色による胃粘膜および胃癌の細胞分化の評価方法についても解説する.
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