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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻6号

2013年06月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈病理〉

肺腫瘤に対する迅速細胞診検査

著者: 土田秀1

所属機関: 1群馬県立がんセンター病理検査課

ページ範囲:P.483 - P.487

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はじめに

 肺癌患者の約2/3は受診時にはすでに手術不能であり,治療は化学療法が中心となる.現在,殺細胞性抗癌剤に加え分子標的治療薬が注目されており,肺癌ではEGFR(epidermal growth factor receptor)遺伝子変異を有するものに対するEGFRチロシンキナーゼ阻害剤や,EML4-ALK(echinoderm microtubule associated protein like 4-anaplastic lymphoma kinase)融合遺伝子を有するものに対するALK阻害剤の有効性が確認されている.分子標的治療薬は治療にあたって対象症例を適切に抽出することが重要となるが,症例の多くは遺伝子検査として使用できる検査材料が生検組織検体や細胞診検体に限られる.

 細胞診検査は組織検査と比較すると捺印標本など少量の検体で検査が可能であり,迅速性にも優れているため,迅速細胞診検査を併用して細胞の詳細な評価を行うことで,迅速に採取材料を遺伝子検査などへ活用することが可能と思われる.

参考文献

1)日本肺癌学会EGFR解説作成委員:肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検査の解説(http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/148.pdf)
2)日本肺癌学会バイオマーカー委員会:肺癌患者におけるALK遺伝子検査の手引き(http://www.haigan.gr.jp/uploads/photos/366.pdf)
3)楊川哲代,酒井文和,高木康伸,他:肺のリンパ腫.日胸臨 70:546-551,2011
4)濱川真治,清水誠一郎:体腔液細胞診材料を用いたセルブロック法による免疫細胞化学染色.Med Technol 37:1201-1208,2009
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8)湊宏:乾燥迅速パパニコロウ染色の手技とその術中診断への応用.Med Technol 28:1269-1273,2000
9)谷田部恭:肺腺癌の分子病理.病理と臨 30:516-519,2012
10)佐野順司,吉本尚子,溝口良順,他:アルギン酸ナトリウムを用いたセルブロック法の有用性についての検討.日臨細胞誌 44:291-297,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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