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文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻7号

2013年07月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

卵巣癌

著者: 有本貴英1 矢野哲1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院女性外科

ページ範囲:P.578 - P.583

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はじめに

 卵巣癌は骨盤内臓器疾患であるため初期の段階では自覚症状が乏しいことが多く,約半数の症例がⅢ期以上の進行癌で発見される.進行癌では予後不良であり,わが国では女性性器悪性腫瘍のなかでも最も死亡数の多い疾患である.卵巣癌には表1に示す通りさまざまな組織型が含まれるが,90%は表層上皮性・間質性悪性腫瘍(以下,上皮性卵巣癌)であり,うち漿液性腺癌,粘液性腺癌,類内膜腺癌,明細胞腺癌の4種類で90%以上を占める1)

 本稿では,上皮性卵巣癌を中心に,病態について概説するとともに,実際の卵巣癌症例における治療経過と検査値の変化について提示する.

参考文献

1)日本産科婦人科学会,日本病理学会(編):卵巣腫瘍取扱い規約 第1部 組織分類ならびにカラーアトラス(第2版),金原出版,2009
2)日本婦人科腫瘍学会(編):卵巣がん治療ガイドライン2010年版,金原出版,2010
3)婦人科腫瘍委員会報告:2006年度卵巣腫瘍患者年報.日産婦会誌 60:1052-1085,2008
4)Kurman RJ, Shih IeM : Molecular pathogenesis and extraovarian origin of epithelial ovarian cancer - shifting the paradigm. Hum Pathol 42:918-931,2011
5)小林浩:内膜症のがん化.臨婦産 60:123-127,2006
6)堀内晶子,塩沢丹里:卵巣がん 卵巣癌の疫学 卵巣癌発生の自然史・危険因子.日臨 70:465-468,2012
7)Rustin GJ : Use of CA-125 to assess response to new agents in ovarian cancer trials. J Clin Oncol 21(10Suppl):187s-193s,2003
8)三森天人,上者郁夫,金澤右:卵巣がん 卵巣癌の検診・診断 画像診断.日臨 70:549-552,2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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