icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術41巻7号

2013年07月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生化学〉

アルカリ性ホスファターゼの測定

著者: 前川真人1

所属機関: 1浜松医科大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.596 - P.601

文献購入ページに移動
生化学的特性

 アルカリ性ホスファターゼ〔ALP,EC 3.1.3.1,orthophosphoric-monoester phosphohydrolase(alkaline optimum)〕は,分子量12万~15万の同じサブユニット蛋白からなる2量体であるが,肝型や骨型はそれが2つ集まって4量体を形成しているとも報告されている.基本的にはホスファチジルイノシトール(phosphatidylinositol,PI)・グリカンアンカーを介して膜に結合して存在する酵素であり,血中の増加は細胞での産生亢進を反映している.これがプロテアーゼやPI特異的ホスホリパーゼDやPI特異的ホスホリパーゼCによって切断され,種々の分子形態で血中に存在している.

 ホスファターゼとは,リン酸結合を有する化合物を加水分解する酵素を意味し,基質によってホスホモノエステラーゼ,ホスホジエステラーゼ,ホスホアミダーゼ,ピロホスファターゼなどに分類される.

参考文献

1)矢冨裕,横田浩充(監修):前川真人(編):標準臨床検査学 臨床化学.医学書院,pp229-236,2012
2)日本臨床化学会酵素部会委員会:ヒト血清中酵素活性測定の勧告法─アルカリホスファターゼ.臨化 19:209-227,1990
3)臨床検査精度管理検討委員会:臨床化学検査法の変遷.第46回臨床検査精度管理調査結果報告書. p288,2013
4)Schumann G, Klauke R, Canalias F, et al : IFCC primary reference procedures for the measurement of catalytic activity concentrations of enzymes at 37 °C. Part 9 : reference procedure for the measurement of catalytic concentration of alkaline phosphatase International Federation of Clinical Chemistry and Laboratory Medicine (IFCC) Scientific Division, Committee on Reference Systems of Enzymes (C-RSE) (1). Clin Chem Lab Med 49:1439-1446,2011
5)山舘周恒:ALPのIFCC勧告法とJSCC法の反応性及び疾患特異性の比較調査.臨化 33:9b-13b,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?