検査と技術41巻7号

2013年07月発行

臨床検査のピットフォール

腎動脈狭窄における最高血流速度の計測法

著者： 山本哲也¹

所属機関： ¹埼玉医科大学国際医療センター中央検査部

ページ範囲：P.625 - P.629

はじめに

　腎動脈エコー検査では血流速度の測定にパルスドプラ法が多用されている．通常，血流速度を測定する際，血流方向に合わせた角度補正が行われる．しかし，補正する入射角度が大きくなればなるほど計測誤差が大きくなる問題を有している．

　本稿では，腎動脈狭窄における最高血流速度を測定する際の角度補正についての注意点と，その対処法について述べる．

参考文献

1）米田智也，佐藤洋：末梢動脈超音波検査の実際　腎動脈．Med Technol別冊　超音波エキスパート　9：96-119，2009

2）Hoffmann U, Edwards JM, Carter S, et al : Role of duplex scanning for the detection of atherosclerotic renal artery disease. Kidney Int　39：1232-1239，1991

3）Strandress DE Jr : Duplex ultrasound screening. In : Novick A, Scoble J, Hamilton G (ed), Renal Vascular Disease, W. B. Sanders, London, pp119-133, 1996

4）腎動脈超音波検査の標準的評価法（案）：日本超音波医学会（公表予定）

5）宮本倫聡，小谷和彦，Uurtuya Shuumarjav，他：角度補正による最大流速の過大評価．超音波医　39：627-630，2012

6）Eicke BM, Kremkau FW, Hinson H, et al : Peak velocity overestimation and linear-array spectral Doppler. J Neuroimaging　5：115-121，1995

7）山本哲也，松村誠，大竹章文，他：コンベックス型探触子における連続波ドプラ法による最大血流速度測定の有用性．超音波医　39：398，2012

8）山本哲也，松村誠，大竹章文，他：リニア型探触子における連続波ドプラ法による最大血流速度測定の有用性．超音波医　37：266，2010