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病気のはなし
ファブリ病
著者: 湯澤由紀夫1
所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部腎内科
ページ範囲:P.720 - P.725
文献購入ページに移動ファブリ(Fabry)病は多彩な臨床症状を呈し,多臓器にわたって症状が認められるため,詳細な病歴・家族歴・症状の聴取が必要である.α-ガラクトシダーゼの活性測定が診断上重要であるが,ヘテロ接合体の女性の場合は,遺伝子診断か家族歴により診断される.予後を左右するのは腎不全や心不全,脳血管障害である.近年,酵素補充療法(enzyme replacement therapy,ERT)による原因治療が可能となり,予後の改善に貢献している.ERTの治療目標は,症状の軽減と臓器障害の進行予防にあるが,すでにその効果は確認されている.
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