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Laboratory Practice 〈生理〉
オシレーション法における呼吸インピーダンス測定の問題点―安静呼吸の見極め
著者: 内田明美1 伊藤理2 吉子健一1
所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院医療技術部臨床検査部門 2名古屋大学医学部附属病院呼吸器内科
ページ範囲:P.794 - P.797
文献購入ページに移動呼吸インピーダンス(呼吸抵抗およびリアクタンス)測定は,気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患などの呼吸器疾患の呼吸機能を評価し,病態を解析するのに有用な検査法の1つである.その測定方法は,1956年にDuboisら1)によってはじめて報告された強制オシレーション法(forced oscillation technique,FOT)を原理としている.現在,日常臨床の場で広く普及している呼吸インピーダンス測定装置は,FOTをもとに開発されてきた2).わが国では,広帯域周波数振動波を用いた機器としてMostGraph-01®(以下,Most:Chest社)とMaster Screen IOSR(以下,IOS:Jaeger社)の2機種が普及しており3,4),当院ではMostを2010年4月から日常検査で運用している.
最大努力を必要とするスパイロメトリーとは異なり,オシレーション法では安静呼吸で呼吸機能を測定できるため,小児や高齢者,呼吸困難度の高い被験者にも負担が小さいという利点がある.一方で,安静呼吸や測定精度をどのように評価したらよいか,検査技師にとって判断が難しい症例も存在する.
本稿では,呼吸インピーダンス測定における測定法の概略と,測定時の問題点について使用経験に基づいた技師の視点から述べる.
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