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検査と技術42巻1号

2014年01月発行

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輸血用血液における病原体不活化技術の現状と新規技術の開発

著者: 岡田義昭1

所属機関: 1国立感染症研究所血液・安全性研究部

ページ範囲:P.4 - P.7

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はじめに

 輸血用血液は,問診に加えて,病原体の血清学検査法とウイルス遺伝子を高感度に検出できる核酸増幅法の導入によって感染症の発生頻度は急激に低下したものの,スクリーニング法の限界や検査が実施されていない病原体などの感染リスクが存在する.そのため,輸血の安全性を確保するための対策として,病原体の不活化法が検討されるようになった.現在のところ,血漿製剤と血小板製剤の病原体不活化法が実用化され,欧州の一部の国や地域で導入されている.しかし,輸血用血液で最も使用量が多い赤血球製剤では,実用化された方法はない.

 本稿では,輸血用血液の不活化法の現状と問題点について述べる.

参考文献

1)厚生労働省:血漿分画製剤のウイルスに対する安全性確保に関するガイドラインについて(医薬発第1047号).1999(http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/iyaku/kenketsugo/5l.html)
2)厚生労働省:平成20年度薬事・食品衛生審議会血液事業部会運営委員会・安全技術調査会合同委員会資料(平成20年7月23日開催).(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb11GS20.nsf/vAdmPBigcategory10/DF2636155EEEC8B34925749000295351?OpenDocument)
3)Prowse CV : Component pathogen inactivation : a critical review. Vox Sang 104:183-199,2013
4)Henschler R, Seifried E, Mufti N : Development of the S-303 Pathogen Inactivation Technology for Red Blood Cell Concentrates. Transfus Med Hemother 38:33-42,2011
1)阿部英樹,東寛,池田久實:輸血用血液製剤のウイルス不活化の現状と課題.日輸血会誌 51:491-506,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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