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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 2章 乳腺
2 浸潤性乳管癌(充実腺管癌)―60歳代女性
著者: 森谷卓也1 中島一毅2
所属機関: 1川崎医科大学病理学2 2川崎医科大学総合外科学
ページ範囲:P.931 - P.933
文献購入ページに移動60歳代,女性.右乳房にしこりを触れ来院.超音波検査では後方エコーの増強を伴う境界明瞭な低エコー腫瘤を認め,ドプラでは血流増加が示唆され,悪性が疑われた→図1~3.また,右腋窩リンパ節にも腫大を認めた.穿刺吸引細胞診を施行したところ悪性(乳管癌)と判定され→図4,乳房部分切除術+腋窩リンパ節隔清が施行された.腫瘍は境界明瞭な充実性腫瘤で→図5,病理組織学的には浸潤径25mm,充実性の浸潤癌巣が髄様に増殖する充実腺管癌であった→図6,7.核グレード(乳癌取扱い規約)3,組織学的悪性度〔ノッティンガム(Nottingham)〕3,リンパ管侵襲なし,静脈侵襲あり,エストロゲン受容体陽性,プロゲステロン受容体陰性,HER2陰性,切除断端陰性,腋窩リンパ節転移陽性(1/13),TNM分類はpT2,pN1a,pM0,臨床病期ⅡBであった.
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