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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 3章 甲状腺・副甲状腺
4 MALTリンパ腫―70歳代女性
著者: 廣川満良1 樋口観世子2 太田寿2
所属機関: 1隈病院病理診断科 2隈病院臨床検査科
ページ範囲:P.983 - P.985
文献購入ページに移動70歳代,女性.7年前から橋本病にて甲状腺ホルモン補充療法を受けていたが,甲状腺右葉に結節性病変が出現したため当院に紹介された.来院時,甲状腺はやや硬く,びまん性に腫大し,右葉は腫瘤状であった.遊離サイロキシン(FT4):0.7(0.7~1.6)ng/dL,遊離トリヨードサイロニン(FT3):2.8(1.7~3.7)pg/mL,甲状腺刺激ホルモン(TSH):6.6(0.3~5.0)μIU/mLとやや潜在性甲状腺機能低下で,抗サイログロブリン抗体(TgAb):4,000以上(0~39.9)IU/mL,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb):51.6(0~27.9)IU/mLと抗甲状腺自己抗体陽性にて橋本病を確認した.超音波検査,細胞診にて悪性リンパ腫の合併が疑われ,甲状腺全摘術が行われた.右葉結節のリンパ球はCD45ゲーティングにてL鎖の偏り,Gバンド分染法にて染色体異常(47,XX+7),サザンブロット法にてJH遺伝子再構成が認められた.
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