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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 3章 甲状腺・副甲状腺
6 過形成性結節を伴う橋本病―20歳代女性
著者: 廣川満良1 樋口観世子2 太田寿2
所属機関: 1隈病院病理診断科 2隈病院臨床検査科
ページ範囲:P.990 - P.992
文献購入ページに移動20歳代,女性.1年前,会社検診にて甲状腺腫大を指摘されるも放置していた.感冒を機会に来院し,触診にて,左葉に20mm大の結節を触知した.生化学検査では,遊離サイロキシン(FT4):1.04(0.7~1.6)ng/dL,遊離トリヨードサイロニン(FT3):2.86(1.7~3.7)pg/mL,甲状腺刺激ホルモン(TSH):3.318(0.3~5.0)μIU/mL,サイログロブリン:27.0(0~35)ng/mL,抗サイログロブリン抗体(TgAb):2825.0(0~39.9)IU/mL,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb):322.0(0~27.9)IU/mLであった.超音波検査にて,右葉に12mm大,左葉に25mm大の結節がみられ,穿刺吸引細胞診にて,右葉結節が乳頭癌,左葉結節が良性と診断され,甲状腺全摘術+頸部リンパ節郭清術が行われた.組織学的には,橋本病を背景に,右葉結節が乳頭癌,左葉結節が過形成性結節であった.
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