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文献詳細

雑誌文献

検査と技術42巻10号

2014年09月発行

増刊号 超音波×病理 対比アトラス

3章 甲状腺・副甲状腺

10 高細胞型乳頭癌の穿刺経路再発―60歳代女性

著者: 廣川満良1 樋口観世子2 久保田真理子2

所属機関: 1隈病院病理診断科 2隈病院臨床検査科

ページ範囲:P.1002 - P.1004

文献概要

症例の概要

 60歳代,女性.約半年前,右頸部腫瘤を自覚し,他院にて甲状腺乳頭癌と診断後,当院にて甲状腺全摘術と右頸部リンパ節郭清が行われた.乳頭癌は高細胞型で,胸鎖乳突筋および輪状甲状筋に浸潤していた.2年後,右頸部皮下に結節性病変が出現したため再診した.血液生化学検査では,遊離サイロキシン(FT4):1.23(0.7~1.6)ng/dL,甲状腺刺激ホルモン(TSH):0.996(0.3~5.0)μIU/mL,サイログロブリン:<0.5(0~35)ng/mL,抗サイログロブリン抗体(TgAb):376.4(0~39.9)IU/mLであった.超音波検査では,右頸部皮下に5×4×4mm大の,形状やや不整で,内部均質な充実性結節が観察された.ドプラ法では,結節内に血流シグナルは観察されなかった.皮下結節の穿刺吸引細胞診が行われ,乳頭癌と診断された.塗抹後の穿刺針を0.5mLの生理食塩水で洗浄した検体のサイログロブリン値は31.2ng/mLであった.穿刺経路再発の診断にて皮下結節の摘出術が施行された.

参考文献

1)Ito Y, Tomoda C, Uruno T, et al : Needle tract implantation of papillary thyroid carcinoma after fine-needle aspiration biopsy. World J Surg 29:1544-1549,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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