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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 3章 甲状腺・副甲状腺
13 腺腫様結節―40歳代男性
著者: 廣川満良1 鈴木彩菜2 美濃寛子2
所属機関: 1隈病院病理診断科 2隈病院臨床検査科
ページ範囲:P.1012 - P.1015
文献購入ページに移動40歳代,男性.2年前職場健診にて甲状腺結節を指摘され,細胞診で良性と言われたため,経過観察中であった.今回の健診で甲状腺の結節が大きくなっており,胸部X線写真で気管偏位を指摘されたことに加え,咽頭部違和感があったため来院した.初診時,右葉に65mmの結節を触知した.甲状腺機能検査では,遊離サイロキシン(FT4):1.14(0.7~1.6)ng/dL,遊離トリヨードサイロニン(FT3):3.30(1.7~3.7)pg/mL,甲状腺刺激ホルモン(TSH):1.347(0.3~5.0)μIU/mL,サイログロブリン:32.4(0~35)ng/mLであった.
超音波検査では,甲状腺の右葉をほぼ占める57×25×41mm大の結節がみられた.結節の形状は整で,境界は明瞭・平滑であった.結節内部の上極側2/3には後方エコーの増強を伴う無エコー域が,下極側1/3には均質な等エコー域(充実部)がみられた.ドプラ法では,結節辺縁部とその周囲に血流シグナルがわずかに観察された.
細胞診にて粘稠な血性コロイド約51mLを排液し,良性囊胞と診断された.囊胞が大きく,気管圧排があることから,右葉切除が行われた.
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