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増刊号 超音波×病理 対比アトラス 5章 心臓
8 三尖弁の感染性心内膜炎―60歳代男性
著者: 田中道雄1 常深あきさ1 遠山怜1 山本浩平1 田辺康弘2 手島保2
所属機関: 1東京都立広尾病院検査科 2東京都立広尾病院循環器科
ページ範囲:P.1077 - P.1079
文献購入ページに移動60歳代,男性.40年前より糖尿病.8カ月以上,狭心症・うっ血性心不全・閉塞性動脈硬化症・心室性頻拍あり.冠動脈造影で3枝狭窄,心エコーで駆出率35~45%.バイパス術後も心室頻拍・低心機能がみられ,ICD(implantable cardioverter defibrillator:植込み型徐細動器)を植込む.その後右母趾潰瘍を生じ,CRP陽性となり抗菌薬を内服するも,炎症反応高値,39℃の熱発あり,血液培養でメチシリン感受性黄色ブドウ球菌陽性.心エコーで,三尖弁に可動性のある2×1cm大の疣贅(vegetation)を認めた.心室頻拍・低血圧に伴う心不全と誤嚥性肺炎を生じ死亡.剖検で,三尖弁後尖に23×13×5mm(後尖の約半分を占める),腱索に13×4×3mmの黄色調疣贅を認め,組織学的にグラム陽性球菌を確認した.
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