文献詳細
文献概要
増刊号 超音波×病理 対比アトラス 6章 肝胆膵脾
10 胆囊の早期癌―70歳代男性
著者: 渡辺光人1 手島伸一12
所属機関: 1同愛記念病院研究検査科 2湘南鎌倉総合病院病理診断部
ページ範囲:P.1111 - P.1113
文献購入ページに移動70歳代,男性.10年前から胆囊のポリープを指摘され経過観察していた.無症状であったが,最近増大してきたため腹腔鏡下胆囊摘出術を行った.超音波では胆囊底部の内腔に,20mmの内部エコー不均一で辺縁不整な腫瘤像を認める.腫瘤は体位変換で可動性がみられず,音響陰影も伴っていない.胆石は認めないが,体部の屈曲部に壁の肥厚がみられた.
病理学的には13×55mmの胆囊で,底部に30×20mm,高さ15mmの隆起性,ポリープ状(Ⅰ型)の癌をみる.顕微鏡的には,高分化な乳頭状腺癌である.癌は粘膜内に限局し,筋層浸潤は認めない早期癌(有茎Ⅰ型)であった.体部の狭窄部には多数のRokitansky-Ashoff洞と,周囲に平滑筋の増生からなる腺筋症がみられた.
参考文献
掲載誌情報